第三一章 言霊解五〔四六一〕
『墨江の三前の大神』 スミノエノミマヘの言霊を解説すると、 スは、真の中心也、本末を一轍に貫ぬく也、玉也、八咫に伸び極まる也、出入の息也、不至所無く不為所無き也、天球中の一切也、八極を統ぶる也、数の限り住む也、安息の色也、清澄也、自由自在也、素のまま也。 ミは、瑞也、満也、水也、体也。 ノは、助辞也。 エは、ヤ行のエにして心の結晶点也、集り来る也。胞衣也、悦び合ふ也、撰る也、大也。 ノは、助辞也。 ミは、三也、天地人の三也、太陰也、屈伸自在也、円也、人の住所也。 マは、一の位に当る也、一のこの世に出る也、全備也、円也、人の住所也。 ヘは、◎の堅庭也、動き進む義也、部也、辺也、高天原の内に◎を見る也。 以上の言霊を総括する時は、明皎々たる八咫の神鏡の如く澄極まり、顕幽を透徹し、真中真心の位に坐し、至らざる所無く、なさざる所無く、清き泉となり、一切の本末を明かにし現体を完全に治め、万物発育の本源となり、以て邪を退け正を撰み用ゐ、温厚円満にして月神の如く、各自の天賦を顕彰し、身魂の位を明かにし、一の位を世に照し活動自在にして、地の高天原に八百万の神を集へ、以て◎を守る三柱の大神と曰ふ事である。故に三柱の大神の御活動ある時は、風水火の大三災も無く、飢病戦の小三災も跡を絶ち、天祥地瑞重ねて来り、所謂松の世五六七の世、天国浄土を地上に現出して、終に天照大神、月読命、須佐之男命の三柱の貴の御子生れ給ひ、日、地、月各自その位に立ちて、全大宇宙を平けく安らけく治め給ふに至るのであります。故に神の御子と生れ天地経綸の司宰者として生れ出でたる人間は、一日も早く片時も速に、各自に身魂を研き清め、以て神人合一の境地に入り、宇内大禊祓の御神業に奉仕せなくては、人間と生れた効能が無く成るのであります。
   宇都志日金拆命
 宇都志日金拆命は、綿津見神の御子であつて、阿曇の連はその子孫である。宇都志日金拆命の名義を言霊に照して解釈すると、 ウは、三世を了達するなり、艮の活動也。 ツは、大造化の極力也。平均力也、五六七の活動也。 シは、世の現在也、基也、台也、竜神の活動也。 ヒは、顕幽悉く貫徹する也、本末一貫也、太陽神活動の本元也。 カは、光り輝く也、弘り極まる也、禁闕要の大神、思兼神の活動也。 ナは、智能完備也、万物を兼結ぶ也、直霊主の活動也。 サは、水質也、水の精也、昇り極まる也、瑞の神霊の活動也。 クは、明暗の焼点也、成り付く言霊也、国常立の活動也。 以上の言霊活用により、命の御名義を総括する時は、知識明達にして大造化の極力を発揮し、天下の不安不穏を平定し、理想世界を樹立するの基礎となり、鎮台となりて、顕幽を悉皆達観し、一大真理に貫徹して一切事物の本末を糺明し、邪を破り正を顕はし無限絶対無始無終の神明の光徳を宇内に輝かし、皇徳を八紘に弘めて止まず、智能具足してよく万物を兼ね結び合せ国に戦乱なく疾病なく飢饉なく、暴風なく、洪水の氾濫する事なく、大火の災なく、万物を洗ひ清めて、瑞の御霊の心性を発揮し、明暗正邪の焼点に立ちて、よくこれを裁断し、以て天国浄土を建設するの活用を具備し成就し給ふ御活動の命と曰ふ事である。即ち宇宙一切は、綿津見神の活動出現によりて、艮の金神、五六七の大神、竜宮の姫神、太陽神の活動、禁闕要の大神、思兼神、直霊主、稚姫神、月読神、大国常立神等の出現活動に拠りて、万有一切は修理固成され清浄無垢の世界と成りて、終に三貴神を生み給ふ、原動力の位置に在る神と曰ふ意義であります。
   阿曇の連
 アヅミノムラジの名義は、天之御中主神の霊徳顕はれ出でて、至治泰平の大本源となり、初頭となり、大母公の仁徳を拡充し、大金剛力を発揮して、大造化の真元たる神霊威力を顕彰し、純一実相にして、無色透明天性そのままの位を定め、万民を愛護して、月の本能を実現する真人と曰ふことが、アヅミの活用である。 ムラジは、億兆を悉く強国不動に結び成して、凡ての暴逆無道を押し鎮め、本末よく親和して、産霊の大道たる惟神の教を克く遵守し、万民をよく統轄して、国家を富強ならしめ、一朝事あるときは、天津誠の神理を以て、神明鬼神を号令し、使役する神の御柱を称して、アヅミのムラジと謂ふのであります。アヽ伊邪那岐大神の心つくしの宇宙の大修祓の神功無くして、如何で神人の安息するを得むや。実に現代は大神の美曽岐の大神事の、大々的必要の時機に迫れる事を確信すると共に、国祖国常立尊、国直日主命、稚姫君命の神剣の御発動を期待し奉る次第であります。(完)
   瑞の神歌
 霊幸ふ神の心を高山の  雲霧分けて照せたきもの 日の光り昔も今も変らねど  東の空にかかる黒雲 この度の神の気吹の無かりせば  四方の雲霧誰か払はむ 葦原に生ひ繁りたる仇草を  薙払ふべき時は来にけり 霊主体従の教を四方に播磨潟  磯吹く風に世は清まらむ
(大正九・一・一五 講演筆録 外山豊二)